~由良~



 由良は正直、焦っていた。


 男は自分で宣言したとおり、何をやっても死ななかった。


 銃弾はもちろん、ナイフで切りつけようが、トンファーで殴りつけようが、男の笑みは揺るがなかった。


 そして、そのたびに由良の身体の傷は増えていった・・・。


「いい加減、諦めたらどうだ?私だってイツまでも、君に殺され続けるほど暇ではないのだぞ。」


 男の笑みは揺るがない


「もう、いいから!朝倉くんは逃げて!」


 後ろで先咲さんが、叫ぶ。


「うるせぇよ・・・こいつを倒さないと、先咲さんは帰れないんだろう。だったら、何度でも殺してやるよ。」


 何度でも、何万回でも、何兆回でも・・・。


 こいつが倒れるまで、こいつが死ぬまで・・・。