「それは・・・・・。」


 認めない。


 美琴が人形であることも。


 アイツの手下であることも・・・。


「美琴さん・・・あのさ・・・もう一度だけお願いしてくれないか・・・。」


「何を・・・・?」


「前に約束しただろう?」


「?」


 そう、それは・・・もう遠い昔となった、だけど今でも自分の中で鮮明に覚えている、保健室での出来事。


「俺は君を守るよ。命を賭けても・・・。」


 再度、自分に言い聞かせるようにしっかりとした口調で宣言した。


「それは・・・。」


「私では、不満ですか、お姫様?」


 つくづく自分はキザと言うか・・・くさい性格をしていると思う。


 由良がいたら、拳骨で殴られているところだろう。


「馬鹿だよ・・・本当に馬鹿だよ・・・桜沢くんは・・・。」


 だけど、それでも良いや・・・。


 それで、彼女が笑ってくれるなら・・・・・・。