魔道師と暗殺者


「ごめん・・・美琴さん・・・。」


「なんで、あやまるの?」


「守るって・・・約束したのに・・・。」


 ・・・・・・・・・・・・『私を守って』・・・・・・・・・。


 あの約束は、自分が彼女に言わせたこと。


 だけど・・・・


 決めたんだ。


 彼女がソレを口にしたときから・・・。


 ・・・・・・・・自分の命に代えても、君を守ると・・・・・・・。


「馬鹿じゃないの?私は、マスターの言うとおり、ただのドロ人形よ。そんなもの守る価値なんて・・・。」


「だったら、何で泣いているのさ?」


 ないとは言わせない。


 悠人は、美琴さんの声にかぶさるように、声を張り上げた。


「何で・・・泣くのさ?」


 再度、同じ言葉を繰り返す。


 君がドロ人形なら、何で泣く?


 何で笑う?


 何で・・・・・・・・先咲美琴なんて・・・・そんなにも美しい名前がある・・・?