「関係ないですって!家族でしょ?」


 分かってるよ・・・。


「うるせぇよ・・・・・。こっちにだって事情があるんだ。」


 そんな言葉しか返せない自分が悲しかった。


「あんた・・・情けなくなったね。今のアンタ見たら、お父さんもお母さんもがっかりすると思うよ。いいわ。私もアンタなんかと同じ家で寝たくない。ホテル取るわ。またね。」


 それだけ口にすると姉貴は荷物をまとめて席を待つと立ち上がって部屋を後にする。


「分かってるよ・・・分かっていても、どうにもできないコトだってあるだろうに・・・。」


 悠人は、誰に言うでもなく、それだけ口にすると、本を持って居間を後にした。


 テレビでは、魔法少女が摩訶不思議な杖を一振りして、ありとあらゆる問題を一挙に解決していた。


 ・・・・・・・・いいな、魔法使いは・・・。


 彼女を見て、悠人は心から思った。