「お前の目的はソレか?」
「君だって魔道師ならば、四大魔法に惹かれないはずがないだろう?」
魔術師の最終目標とされる四大魔法の大成。
一つは、何もないところから命を作り出す、生命作成。
一つは、死者を蘇らせる、死者蘇生。
一つは、天空、大地、海、全てを思いがままに操る、天変地異。
そして、一つは永遠の命と若さを手に入れる、不老不死。
その、どれもが神の領域である・・・。
人は、神にはなれない。
そんなこと、魔術師が一番わかっていなければいけないことだというのに・・・。
「冗談じゃない・・・だったら、ヨーロッパに行けよ。いくらでも、俺より優秀な魔道師ぐらいいるだろうに・・・。」
そもそも、こいつは何で、こんな極東の国にいるのだ?
それが、一番解せない。
ヨーロッパなら、こんなヤツ・・・。
あ・・・・・・・・そういうことか・・・・・?
「馬鹿か君は?あんなに口うるさいローマ教会の元で魔術の研究なんて出来るものか?研究というのは、自由な発想と天才的な機転によって生まれるものだ。」
・・・やっぱりそうだ。
こいつは、ローマ教会が怖いんだ。
いまだ影ながら魔術師を見張る聖ローマ教会。
魔女狩りを恐れるような魔道師は、大したことはない。
最初の直感は正しかった。
こいつは・・・・・・・・・自分よりも格下の相手だ・・・・・・。


