魔道師と暗殺者


「あの・・・。」


 自分がそこまで口にした瞬間。


「ってことで、二人にはお留守番をお願いしたいわけよ。」


 お姉さんの言葉がかぶさった。


 お留守番・・・?


「どういうことですか?」


 真琴の顔が渋くなる。


「そのマンマの意味よ。ビルには私一人で行くから、二人にはお留守番をお願いしたいの。もし、明日の朝までに帰ってこなかったら、警察を呼んでもらうためにもね。」


「なんだって!」


 自分から声が漏れた。


 何を言っているんだ。


 もし、そこが本当に魔道師の本拠地だとしたら、お姉さんが行って無事で帰ってこれるはずがない。


「危険ですよ!私も行きます!」


「おい!お前まで、何を言い出す!」


 『危険です』と注意しておいて、『私も行きます』はないだろう?


「うるさい!・・・これは、私たち家族の問題なのよ。あなたたちは引っ込んでいなさい!」


 さすがは姉弟・・・。


 ・・・・・・・『うるせぇ、お前には関係ない話だ。すっこんでいろ!』


 二人で同じこと言うとはな・・・。