「カラスの言ってることが分かるんですか?」
聞いてきたのは真琴の方。
そりゃ、自分だってはじめてみた時は驚いた。
「う~ん・・・悠人ほどじゃないけど、私もなんとなくはねぇ~。」
そう、悠人はここのカラスと会話ができるのだ。
小さい頃からこの近くに住んでいて、カラスの面倒を見てきた賜物だろう。
悠人が自分の腕にカラスを乗せているのをはじめて見たときは自分だって驚いたし、これでお前食っていけよと言った事を覚えている。
悠人にだって出来るのだから、お姉さんにも出来て当然だろう。
ちなみに、その時の悠人の返事は『鷹じゃないんだから見栄え悪くて誰も見ないだろう』だったっけ・・。
それにしても、二人ともカラスと会話できるなんて、まるで魔法使いだな・・・。
「すごい~桜沢くんたちに、そんな特技があったなんて・・・。」
「それで、そのカラス・・・もとい、シャーリーはなんて言っているんですか?」
真琴が純粋に関心の声を上げ、自分は世間話のつもりで話題を振った。
シャーリーと呼んだのは、姉さんに気を使っただけで、自分にはここにいる全てのカラスがシャーリーに見える。
「ん~・・・町外れにある大丸ビルの地下だって・・・。」
「!」


