中世に第一期が行われた魔道師同士の戦争・・・薔薇戦争。


 それも、今期で15回目。


 発端なんていつだって簡単なものだ。


 誰かが死ぬ。


 呪いで死ぬ。


 誰の仕業なんて問題ではない。


 誰もが誰も魔法使いは、相手を恐れ、畏怖しているのだ。


 だけど、強力な魔法を使いたいから・・・より、高度な技術を生み出したいから、魔道師は協力し合う。


 ソレも、戦争が始まれば一瞬。


 お父さんはすぐに人質に取られた。


 お母さんの力を欲しがる誰かのために・・・。


 お母さんに殺されたくない誰かのために・・・。


 俺は、お母さんの判断で、すぐに極東の島に逃げるように、追い出された。


 姉貴が途中まで面倒見てくれたが、そんな姉貴も何かの情報を得るために高校を卒業と共にドイツの大学に進んだ


 姉気は俺に言った。


 ・・・・『逃げたくないの。相手が魔法使いだろうと、錬金術師だろうと・・・私の家族をバラバラにした連中に負けたくないの。だから、ヨーロッパに飛ぶ。ヨーロッパに行ってお母さんの手伝いをしてくる。』


 魔法も使えないのに、姉貴は強いと思った。


 なのに、俺は魔法を使えるというのに・・・魔術だって覚えたというのに、いまだにここから抜け出せない。


 逃げ出した極東の島国でいまだに敵の魔道師協会に怯えている。


 ・・・・・・・・情けない。