そっけないメールだったけど、わたしは嬉しくて仕方がなかった。
[わかった]
でも、わたしのメールも大分そっけないものだ。絵文字を乱用する主義ではない。
そしてメールの返信が来ないのを確認して、わたしは毛布に体をくるめた。
彼が帰ってくるのに油断はできない。彼の機嫌を損ねたら髪の毛を引っ張られたり色々されそうだ。慎重に機嫌を損ねないように、甘えなければ。
わたしは嬉しいような面倒なような複雑な気持ちを胸に、瞳を閉じて眠りにつこうとした。
その時、ぶー、ぶー。携帯が震える。私は次は布団をはねのけずに、少々寝たいという思いに負けそうになりながら携帯を手に取った。またもや彼だ。用事や伝えたいことが幾つもあるのなら一つにまとめて送ってこいってんだ。お前はメールに慣れてないお父さんか。わたしにお父さんいないけど。まあ、そんなこと、口が裂けても言えないが、と考えながらわたしは軽く溜め息をついて受信トレイを開いた。
件名はやはり無題。そのまま下に目線をスクロール。
そして、新たな文字が目に入った次の瞬間、わたしは声がでなくなった。

