「「何言って…。や、気持ちは嬉しいけどな?でも大丈夫。なんとかなるって!」」
「「でも私、先生が傷つくの嫌です!」」
「「…頑張ろう?俺らの気持ち、規則なんかに負けるもんじゃないだろ?」」


この時私は、強く心に決めた。
私も頑張ろうって。
振り返らないよ…引き返さない。
私の気持ち、規則なんかに負けるものじゃないから。
私にできる事は少ないかもしれない。
でも私、頑張るから。
精一杯先生を守る。
口だけ…そう思う?
実際はほとんど力にならないかもしれない。
でも…気持ちは嘘じゃない。
かけがえのない人の為なら…。
きっとなんとかなるよね?

**

「…松木先生。ちょっといいですか。」

私は松木先生に会いに、塾に行った。

「…いいよ。あいつの事でしょ?」

怖い…。
だけど向き合わなきゃ。
私と先生の気持ち…。

「私、悪い事してるって思ってない。だから…。」
「分かってるよ。」

松木先生はニコッて笑ってみせた。
予想外の反応に驚いた。
もっと…谷先生みたく、怒られるって思ってたから。

「仕方ないと思うよ。だから他に言うつもりもないし。ただ…相原が心配なの。」

私が心配…?
中川先生じゃなくて?

「私…ですか?」
「あいつ、あんなだからさ。試験だってあるでしょ。だから相原、きっとこれから辛いよ?」

なんだ…そういう事か。

「先生は…中川先生は、とても素敵な人です。私にはもったいないくらいの。色々あるのは分かってます。でも、ただ好きだから一緒にいたい。単純かもしれないけど、分からない未来より、今を大切にしたいんです。」
「無理に頑張る必要なんてないよ?あいつよりいい奴いるよ?」
「ううん。私、中川先生がいいんです。」


一気に2人の先生にばれて、色々言われた。
でも今思うと、きっと私や先生の事思って言ってくれたんだよね。
だけと私、後悔してないよ。
間違ってたとか思ってない。
あの時こうして良かったって思う。