「やばいって、もう!!どっきどき。でも…認めてもらえて、良かった。」
「はい。」

先生のおかけだよ。
ありがとう…先生。

「大事にするから…。相原さんの事、傷つけるような事しないから。」

ねぇ先生…。
先生は本当に本当に、私を大切にしてくれたね。
泣かされた事も沢山あったけど…いつも私を守ってくれた。
どうもありがとう。

**

「…汚いけど?」
「全然引かないから、大丈夫ですよ。」
<ガチャ>

初めての先生の家。
学生ばかりの、ワンルームマンションの一室。
なんだかとっても安心する。
夢みたい。
先生が…私の大好きな人が、今隣にいる。
なんてすごい奇跡なんだろう。
先生…私は幸せ者だね。


<ピーンポーン>
「「えっ?」」
「あ!やば。今日あの子来るんだった。もう20時30分。帰る用意して待ってて!」

確か先生行きつけの、定食屋さんの高3の男の子。
週1で勉強来るんだっけ。

玄関の扉を開けかけて、先生が言った。

「あのさ、1つ注意。絶対あいつに惚れない事。」
「…?」
「だからー。俺いんのに、あいつ好きになんないでって事。」
「あっ、当たり前じゃ…ないですか。」

すると男の子が入ってきて…。
先生が言う通り、優しそうな人。
「ちょっとこの子送ってくるから、先勉強してて。ほら、行くよ。」
「はい。」

先生が送ろうと準備をして、スタスタ歩いて行く。

「え…あっ。」

この日は雨が降っていた。
雨はあんまし好きじゃない。

靴とか濡れちゃうし、そしたら気持ち悪いし…。
傘は邪魔だし。

だけど雨の日は、いつもより先生の近くにいれるの。
雨さんありがとう…。