「そろそろ帰ろうか?」
「…もう少し…一緒にいたいです。」

たった1日でいい。
先生とお別れのない夜があれば…なんて思った。

「そうだ。ちょっと向こう見て、そのまま目閉じて。」
「え、えぇ?」

私はとりあえず、言われた通りに目を閉じた。

「絶対開けるなよ!!」

念を押す先生。

なにやらシャラシャラと音がして、先生の手が髪に触れた。

「目…開けていいぞ。」

そっと目を開けてみた。

私…何?
何も変わってないよね?
先生何したの?

「僕のとペアです。」

と、先生はパーカーの下から何かを取り出した。

「え…。」

びっくりして、マフラーが巻いてある辺りを見た。

するとそこにはネックレス。
そしてよくみると、リングがとおっていた。
それも、先生とペアになってるリング。

"junya6,21"って彫ってある。

「そんな…いいんですか?」
「普段はあまり言葉にしないけど、それが俺の気持ちだから…。」
「はい。」

先生の気持ち…ちゃんと届いたよっ。
ありがとう、先生。

「あ、千尋って子にも感謝してて。」
「…?」

すごく照れくさそうな先生。
私もね、すごく恥ずかしかった。
でもすごく嬉しかった。

後からちょっとだけ聞いた。
千尋…ありがとう。

ねぇ先生。
私、こんなに幸せでいいのかな?
今日は、今までで1番のクリスマスだよ。

隣を見れば先生がいる。

ただそれだけで、でも私にはすごい幸せなんです。

神様ありがとう。
こんなに素敵な人と出会わせてくれて。
こんなに素敵な恋をさせてくれて。
こんなに素敵な時間をくれて。