たった一つのプレゼント




「魅麗、部屋二つあるし
 家賃は二人で
 分けられるし…
 ここに住もう?」




「…………うん」





優しすぎる迅の笑顔に
思わず返事をしてしまった。


不動産屋さんから
紙を貰ってサインをしている
迅を見つめながら考えた。




これって




同棲ってやつ…?



一応

きょうだいではない。




ただの幼なじみ




しかも相手は


大好きな人。







帰り道
少し前を歩く迅の背中を
眺めながら歩いた。




「どうして迅は
 あたしと住もうと
 思ったの…?」



「……家賃安くなるから」


「…………それだけ?」


「どうだろう」


「なにそれ」




そんな理由以外
何も言わなかった。



だけど



なんとなく分かったよ




だって言ってくれたもん





『お前が心配。
 一人にしておけない』