「……果帆」


俺が呼びかけると、ゆっくりと控えめに見上げる果帆。

長い睫毛を震わせながら、さっきよりも顔を赤くして。


「……結婚、してください」


そう言って、果帆の手を取って指輪を付ける。


もちろん、左手の薬指に。

果帆は、指輪を見つめたあと、小さく口を開いて。


「………はい」


俯いたまま、顔を赤くして頷く果帆が、愛しくて。