*宗太郎*


「ハァ…ハァッ」

俺は毎日のように竹刀を振り回して稽古をしていた。


俺は高本宗太郎
名門高本剣道道場の次期当主になる。
小さい頃から剣術を叩き込まれた。そのおかげで、剣術で俺の右にでるものはいない。


剣道は好きだ。周りからはあまり理解されないけれど。 剣をあわせれば相手の心情もわかるようになる。


心が通じあう…。
そんな瞬間が好きだ。



「ふぅ………?」


一息つこうと気を緩めると何処からか視線を感じた…。


すると…

木の影に…女…の子…?
どうしてこんな所に…?
ここは山の中だ。通りすがりなんてまずない。
見たこともない顔だ。



それに… 随分とおかしな格好だ。まるで時代劇の衣装のような姿をしている。


着物はミニスカートくらいの丈で腰には刀がささっている…。




あの刀…、竹刀じゃないみたいだけど…?



「あの…」

声をかけようとした。