アゲハ蝶





「これから澪は俺の家で暮らすんだよ。」



黙り込んでいた私に話しかける水谷さん。



「水谷さんの家にですか?」



「そう。っていうか水谷さんじゃなくて漣って呼んで。」



そう言って綺麗な顔を近づける。



「えと…じゃあ…漣くん…。」



綺麗な顔におされて仕方なく"漣くん"と呼ぶと

「漣でいいのに。まぁいっか。」と笑って許してくれた。


一緒に笑い合っていると
漣くんが急に真剣な顔になった。


「澪。これから俺、ちょっと出掛けてくるけどこの部屋から出ないこと。」


「…漣くん、どこか行くの?」



「うん。だから絶対に外、出ちゃだめ。わかった?」



「…わかった。」



漣くんに外に出ないと約束すると優しく頭を撫でられた。

暫く私の頭を撫でていた漣くんは「……じゃあ行ってきます。」と言って去っていった。