目の前には鮮やかな赤に染まった制服を着ている男の人が立っている。


真っ白だったはずの私と同じ学校の制服。


ネクタイにシャツだけのシンプルなスタイルの彼は一歩ずつ、こちらに近づいてくる。



「……怪我してない?」



床にペタンと座り込む私に視線を合わせるようにしゃがみ込んだ彼は心配そうに見てくる。



返事をしない私に彼は怒ることなく、怪我がないか私の手や足をじっと見る。


そんな彼にされるがままの私は、ふと彼の後ろの方に視線をやった。


そこには10人ほどの男が唸り声をあげて踞(うずくま)っていた。



「見なくていいよ。」



彼の声が聞こえて視線をまた彼へと移す。



「…見なくていい。あんな穢れた奴ら。」



私の瞳(め)を見て話す彼の瞳はとても綺麗。

よく見ると瞳だけじゃなくて全てのパーツが綺麗に整っている。