かたっぽうの恋




「はぁ、はぁはぁ」



ここはどこ?



家から外にはあまり出ないから、
道に迷うと厄介だった。



そんなに遠くには来ていないはず、
どうしよう、一回来た道を戻ろうか?



後ろを振り向き、景色を見渡したら
目に見えるすべてが知らない世界。






右も左も、わからなくなった。



空も雲も、夕日でオレンジ色、





「……パパ、ママ……秀ちゃあん」



どこぉ?






「しゅうちゃーん!」




私は泣きながら、走った。




走って走って、公園にたどり着いた。


ブランコの鎖を握りしめ、
漏れる息を必死に整える。


喉がカラカラで、汗だくだ。 



その時、私は大きな桜の木を見つけた。



立派な太い木に、沢山枝が生えて桜たちが開花していた。




―――綺麗だなぁ…




(ドクンッドクンッ!)



「っっ!、ごほ!!」



いきなり、胸が苦しくなった。






「はぁ!はぁ!、げほげほ」



熱い、身体が!
咳が止まらなくて、息苦しい!




手にしていた鎖を掴む力も無くなり、足腰の力も抜けた。




地面に崩れ落ちた。






身体に力が入らない、頭が真っ白になる。











「ちぐさっ!」






この声は、秀ちゃん?