かたっぽうの恋



病弱で、あんまり学校に行けない私には
友達は秀ちゃんだけだったから…




桜が舞う季節。




「秀ちゃん、あそぼうよ」


日曜日、私は秀ちゃんの家に行った。




「空き地で野球の練習するから無理だよ」


町内の少年野球クラブに入った秀ちゃんは、
真新しいユニフォームを着て、
出かける途中だった。



「ちぐさも行きたい」


「だーめ、ちぐさが来てもツマラナイだろ!」


「ツマラナクナイよ」


「俺、相手してあげれないんだもん」



秀ちゃんがなにを言っても、
私は聞かなかった。



すると、ハッとして
思いついたように秀ちゃんが言った。




「かくれんぼ、しよう!」


「するー!」


秀ちゃんとかくれんぼ!
久しぶりに遊んでるもらえるんだ、
私は嬉しくて仕方がなかった。


「まず、俺が隠れるから
ちぐさは100数えたら探してよ?」



「うん、いくよ!」


私は両手で目を覆い、
言われたとおり、数を数え始める。





――――そして、




「ひゃ~く!、っ」



瞼を開けると、マンホールが一つのコンクリートの上
私だけが立っていた。



秀ちゃん、すぐに見つけるぞ!




―――――
―――…



夕方になっても、
秀ちゃんは見つけれなかった。