かたっぽうの恋

実習生さんは軍手を脱ぎながら、私の背中を押して指導室に入った。




「実習生さん、ここで着替えないの?」


「え?……!?」



どこで着替えるのかが気になって、背中を押す実習生さんに振り返ったら、実習生さんと目が合った。






「……ぁ」









顔………近いんじゃない?







実習生さんは、私の顔を覗き込んできた。




「なあ。何かあった?」


「え!」


…実習生さんは首を傾げて、「いつにも増して顔が変だ。」と真剣に言った。



「ハァ!?」


いつにも、増して!?



「いや、嘘です。でも、マジで…どした?」




「ううん。別に普通だよ…」




最初は二宮くんの事、相談したくて来たのに…。今は、会いたくなって来た。


ギャルたちに、実習生さんを取られたような気持ちになった。



「………」



私は俯いて 他の言い訳を考えた。



すると…。



さらっと、実習生さんが私の髪を撫でた。




「実習生さん?」


「あっ!!ごめん」





手を引っ込めて、私から離れた。