二宮くんが見つめる先に、その子はいた。
―――月島ちぐさ
サラサラ黒髪ショートヘアの眼鏡っ子、色白の小柄。
ほわほわした、優しそうな女の子で、少しそばかすがあった。
全速力で走る二宮くんについて来たせいかな?
白い肌に汗が伝い、
はぁはぁと息が荒い。
そして、両手でしっかり抱きしめているのは二宮くんの上着だった。
「秀ちゃん、宿題見つかった?」
「ちぐさ、待ってて!、
今取って来るからさ、
月島!ちぐさの事お願い!」
えぇっ!お願いって、
なんで!?
顔の前で手を合わせ謝り、二宮くんは後ろ歩きで2、3歩下がりながら、前を向いて教室に走って行った。
「………」

