かたっぽうの恋

二宮くんへの気持ちで負けたと思うと、涙が溢れて、頬にこぼれ落ちた。


「負けたくない」


「―――だろうな?」


そういうと、実習生さんは立ち上がり
私のもとに歩み寄った。



え、な何?




「ちょっと立とうか、つか泣かないの!」


実習生さんは、私に手を差し出した。


「――グスン…、ん?」


実習生さんと手を重ねると、ぐいっと身体が立ち上げられて、実習生さんの胸にポスンっと引き寄せられた。


え?、顔を見上げると実習生が私を見下ろして言った。


「二宮にお前は告白をするんだ、どれくらい好きか大声で叫んでみろ、練習だ」



へ!?、そ、そんな事したら、
誰かに聞こえちゃうじゃない。


「や、やですよ……それに告白なんて、まだ」


「あ、あぁ~あ!、お前の二宮に対する気持ちはそんなもんか?」


そ、そんな事言われたら、なんか…



「叫ぶって気持ちいいぞ!ほらっ、どれくらい好きなんだ、言わないと負けちゃうぞ?」


えっええ!、んっんも~~っ


私は手足に力を入れて、前を向いて、
息を吸い込み、思いっきり叫んだ。


「―――っ私は二宮くんの事が大好きだぁぁぁぁぁ!」



叫び慣れてないから、声が裏返るよぉ、


「二宮と、どうなりたいんだ?」

どっどうなりたいか!?
えっえぇ!えっと!





「にっ、二宮くんの彼女になりたいぃぃぃ!」



「なれる!!、誰にも取られたくないよなぁ~」


「誰にも取られたくないですーーーー!」

こ、この男っ、遊んでんじゃないの!?



「クククッ…、あ…悪い」



ガーン…、頭の中で鐘を打たれた気分…