かたっぽうの恋


ずっと憧れていたのに、
仁宮くんと過ごす高校生活。


公園で毎朝待ち合わせ、
重なり合う手と手。


お昼はかならず一緒に食べるの


あなたが美味しそうに食べてるのは、
私の愛情弁当だったりして。














でも所詮、憧れだよね。





なんでだろ、



好きなのに…





どうして思い通りに行かないの…




ずっとあなたを思って
ドキドキしてたんだよ?






胸が痛いのに、
そのドキドキが気持ち良かった。








私はずっとあなたを見ていた。




でも、



あなたが私を見つめる時間はなかったよね。









あなたはいつも、私じゃない
あの人を見つめていたから…









「そんなの、やだよぅ…」







耳を塞いで、目を閉じて、
暗闇に消えたくなった。





私は部屋にひきこもった。