かたっぽうの恋



「どうかしたのか?岸本」


首を傾げて、優しい笑顔で言う二宮くん。



「あ、ごめん。ぼけっとしてたね………あれ、私は何をしたらいいのかな?」



我に返り、実験に集中しようとしたものの、どうしたらいいかわからない。


「炎色反応の実験だよ。コップに各薬品少量とアルコールが入ってる。チョークをそれぞれのコップに入れ液体をしみこませるんだよ。」


「な、なるほど!」


テーブルの上を見ると、アルコールランプに、灰皿の中に粘土をつけたものがおいてあった。


「食塩、塩化カルシウム、ミョウバンはとけにくいから、良く混ぜてね」

「は、はい!」


全然話し聞いてなかったよ。ぼーとしちゃって情けないよ。



「吾妻先生って…」



え…?



カラカラ、ゴシャゴシャ!!




ん?……ぁあ!!




「わわわっ、どうしよ」


チョーク床に落として粉々になっちゃった。



「だ、大丈夫?岸本」


「う、うん。へーき」


二宮くんが先生の事口にするからびっくりしちゃった。



二宮くんが一緒にチョークを拾ってくれてる時に…。


「先生が好きなの?」と無垢な表情をして尋ねてきた。