かたっぽうの恋



焦っていた敦子は安心し、胸を撫で下ろした。
そんな敦子に美保は軽く肘打ちをする。




「とにかく、やるなら全力で戦ってこいな!」

「恥ずかしがって、落ち着き忘れずにね~」



敦子は頭をガシガシと撫でてくれて、
美保は優しく手を握ってくれた。



「ありがとう、いってくるね」






よし…!



(いざ勝負と思ったら、恥じらいは捨てること…)



昔、だれかに言われた言葉が
私の脳裏に浮かんだ。