かたっぽうの恋

1ミリもないね。



私の入る隙間。




私は、そんな二宮くんと月島さんをただ後ろで見守っていた。


すると、ぽんっと私の頭に後ろから先生が顎を置いた。





「…いいムードですやんけ」



こ、この男…。



「邪魔です!」


「…もー」


ため息をつきながら、先生はしぶしぶ顎を離した。



いつから後ろにいたのよ?


……あ!


私は先生をずっと待たしていた事を思い出した。



「ごめんね先生。つい、話し込んじゃって!びっくりだよね。」


できるだけ明るく、
なんでもない感じに話す。


先生は、目だけで私を見た。



でも、すぐに遠くに視線を流す。


「うん。すげー展開」



……。


先生は横に立ったまま何にも話さない。




すると先生が、ぴょんと飛んで私にお腹あたりで軽くぶつかってきた。



「きゃ!……なっなに!?」


「元気でるかなと思って」


なにそれっ!!そんなんされても驚くだけだよ!



「とりあえず、意味がわからないから!」



「心配してやってんだろ~」


「心配っ?ご心配なく!!」


「うえー、可愛くな~あ」


「なによ!」


先生は、土手の砂利と一緒に転がる空き缶を拾う。




「お前。今泣きそうな顔してんだろ 意地張んなよ。張れてませんけどね~」







「……」


だめだ。鼻が…ふがふがしてきた。




目も熱くなって、涙が溜まる。



「涙、拭いてやるって言っただろ?」