かたっぽうの恋

小さな声でそう呟くと、決心したように振り返り。泣きながら叫んだ。




「私は、秀ちゃんと離れるのがイヤなの!」


恋が実らないよりも、会えない方が胸が苦しくて堪えられないんだ。



「秀ちゃんに好きな子ができたら手繋いでなんて言わないから…、わがままも言わない。だから!」



本当に辛いのは…、
離れてしまう事。




「お願いっ、好きなの…。どこにも行かないで!」








二宮くんは月島さんの肩に手を伸ばし、めいっぱいに包み込んだ。




「俺、行かないって約束したよ?」


「うん。……うん!」




二宮くんも月島さんも顔を見合わせて、少し照れ臭そうに笑っていた。



ほら、二宮くんってね。




月島さんといるとき
幸せそうに笑うの。



離れたくないなんて、好きだって言ってるようなものだよ。



二宮くん、鈍いから気づけないんだよね。







ずっと好きなくせにさ…


幼なじみのふたりは、一つ目の扉を開いたばかりだ。