奈美ちゃんと将君がうまくいけばいい。

そう思う半面、うまくいかないでほしいって思う。

二人を応援しなきゃ。

そう思う半面、本能は応援なんかしたくないって叫んでる。

私はどうすればいい?

どうしたらいいの?

苦しいよ…助けて………!

「…っ…うぅっ…」

こんな自分に嫌気がさした。

心の隅で奈美ちゃんを

恨んでる、憎んでる自分に。

奈美ちゃんと楽しそうに話している将君を

嫉んでる、自分に。

私はどうしちゃったの?

「…もう…分かんないよぉ…」

限界、だ。


殻に閉じこもるのはやめよう、ちゃんと将君に……伝えよう。

これ以上壊れたく無い…!

これ以上奈美ちゃんや将君を憎悪でしか見られなくなるのは、嫌だ…!!

…伝える、絶対伝えるから…!


「…いつから、私はこんなにも臆病になっちゃったのかな…」

自分の気持ちを素直に言えない程…

自分が嫌で嫌でたまらない。

「あお、いっ…葵っ…!!」

「っ…将、君……」

このままいてもしょうがない…将君を探しに行こう。

そう思った矢先…

将君が息を切らしながら私を見つけて走ってきた。

「将く………」

「はぁっ…はぁ…葵…何かあんなら…聞かせてくれよ…ッ」

がし、と掴まれた肩。

目の前の将君から目が反らせなかった。