空虹

｢優唯夏!!起きなさい！遅刻するわよ!!｣
｢んん･･･｣
｢早くしなさい！セットするのに何分かかると思ってるの!!｣
｢んー･･･｣
なかなか開かない目を擦り目にかすかに入ってくる眩しい光を遮りながら時計を見る。
｢･･･あぁぁぁぁっ!!なんでもっと早く起こしてくんなかったの!!｣
階段をお母さんの前を走りながら叫びリビングに向かう。
｢何回も起こしたわよ。いっつも自分で起きれるのにどうして今日起きれなかったの。昨日何か考え事でもしてたんでしょー？｣
階段を降りてパパの左斜め前のイスに座り、焼きたての食パンを何も付けずに食べるあたしに、階段をやっと降りてきたお母さんがココアを煎れながらあたしに向かって図星のことを言う。

どうして勘が鋭いんだか。
｢なんだっていいでしょ！｣
パンを口に入れながらウィンナーにフォークをさす。
｢はいはい。｣
呆れたように言いながらココアをあたしの左側に置いてくれるお母さん。
｢さっさと食べて髪なんとかしなさい。｣
｢わかってるー｣
｢にんじん残すんじゃないの。｣
白いお皿にのっかってるウィンナーと目玉焼き、そしてブロッコリー、輪切りで茹でられたにんじんのにんじんだけを右によけるあたし。
だって嫌いなんだもん。
にんじん･･･。
｢はーい･･･｣
｢とか言って食べないくせに。｣
｢うぅ･･･｣