「え、あたし騙されてたってこと!?」

「そーゆーこと!…幻滅した?」

「幻滅はしてない…」


けど…やっぱり騙されるっていうのはショックだなあ。


「ごめんなっ!いきなりこんなんだと嫌われるって思ってさ!」

「きっ…嫌わないよ!」


あたしを助けてくれた人を嫌うわけがない。


「そっか!良かった!」


瑞希は可愛く笑った。
こうして話してると、全然不良なんかに見えない。

でも、やっぱり…かっこいいからモテるんだろうなぁ…

あたしは瑞希を見つめながらそんなことを考えていた。

瑞希があたしの視線に気付く。


「そんなに見られると緊張するんですけど(笑)」

「あっごめんなさいっ!」

「ぷっ…敬語になってるし…」


瑞希って、こんなに背高かったかなあ。
こんなに肩幅あったかなあ。

そんなことを考えていたら、
ドアが思い切り開く音がした。