「空さん、無事だったんですね。よかった。」


横から声が聞こえ、あたしは目を開けた


「安心したのか、ぐっすり眠っちゃって!ほんとに瑞希君のおかげだわ~」


お母さんの声も聞こえる。


「お母さん…?」


あたしはいつのまにか、さっきより話せるようになっていた。

あたしの声に気づいたのか、お母さんがカーテンを開けた。


「やっと起きたのね!空、瑞希君も起きてるわよ!」


わぁー初めての"瑞希君"とご対面だ、なんて少しワクワクするあたし。

お母さんが隣のカーテンを開ける。

そこにはすごくカッコいい男の人がいた。
でもやっぱり傷だらけだった。


「はじめまして!五十嵐瑞希です!空ちゃん、よろしくね?」


すごく可愛い笑顔。
病人だとは思えない。


「はい。あたしは野々山空です、よろしくお願いしますっ!あ、あと…助けていただいて、ありがとうございました!」

「全然大丈夫だよ、気にしないで。」


瑞希君はすごく優しかった。