「瑞希~!やっと見つけたあ!」
入ってきた女の人は、すごく綺麗で可愛い人だった。
思わずあたしは見とれた。
「怜奈…」
瑞希が嫌そうにつぶやく。
怜奈って名前なんだ。
名前までもが可愛い。
「瑞希、探したんだよお?会いたかったあ~♪」
怜奈って人はそう言って瑞希に抱きつく。
これがいわゆるぶりっこだろうか。
てゆーかあたしはここに居ていいのか…
「怜奈、ウゼェから離れろ。」
「ひっどぉーい!あたしこんなに瑞希が好きなのに…」
あ、怜奈って人と目が合ってしまった。
「瑞希、この子だれえ?」
「俺の大事な後輩だ。怜奈、いじめんなよ。」
「あーいっ♪あたし怜奈!よろしくね♪」
悪い人じゃなさそうだな、と思った。
「あたしは空です。怜奈先輩、よろしくお願いします。」
軽くお辞儀をした。
すると怜奈先輩はあたしに抱きついてきた。
この人は抱きつくのが好きなの!?
しかもなにげに胸が当たってます。
「やーんっ可愛いっ!」
「おい、抱きつくな。」
瑞希が怜奈先輩を引っ張って、あたしはやっと解放された。
た、助かった…
「あ、空ちゃん!瑞希はあたしのだから取らないでね♪じゃ、またね~ばいばーい!」
そう言って怜奈先輩は去っていった。
なんか嵐みたいな人だなあ。
「瑞希…彼女さん?」
「ちげーよ!俺、好きな奴いるから」
「なーんだあ」
彼女かと思った。
しかも瑞希、好きな人いるんだあ。
羨ましいなあ。
あたしは恋をしたことがない。
だからまだその感覚がわからない。

