にゃんころ話

横を
通りすぎる。




なんだか
小さいけど、


これも
木なんだな。



この木は
どのくらいで
ここに
立っているんだろう。



俺の記憶が
なくなってから
一体今、


どれくらい
たったんだろう。


分かんないや。



それに…



どれだけ
記憶を
辿っても、


この木は

思い出せない。





…






ふっと


懐かしい
風が吹く。



もしかして…





…






…あった。



じいちゃんの



生きた証。


あの時
じいちゃんが
捨てた
梅干の種。


こんなに

大きく
なっちゃった。





守らなきゃ。






咄嗟に
思った。





もう。



迷いなんか
何も無い。




俺は
猫だから、



何も
出来なかった
から、




この木だけは


必ず
守るよ。






雨はずっと
降り続けた。