「…あれ?祈沙?」 やっぱり! 見間違いじゃなかったんだ! 『剣悟くん、おはよう』 少したれた目であたしを見つめるのは、中学校で3年間同じクラスだった子。 佐野 剣悟(さの けんご)くん。 「へぇ~。祈沙も同じ高校だったんだな」 『そう言えば、お互い知らなかったよね』 「だな~」 ものすごく弓道が上手くて、たくさんの大会に出てる、体育会系。 人懐っこくて優しい人。 「また同クラだったらウケるよな」 『だね』 二人で肩を並べて笑った。