あやめ【短編】


















「なぁ…彩芽。」




壁に凭れながら、優作はちらっと私を見る。

「なぁに?」
















「……俺が…怖くないか?」





消えてしまいそうなくらいに、小さい声で



優作は目を逸す。






「怖くなんかないよ。」



私は、伝わるように優作の手を握った。





「怖くなんかない。」









優作を真直ぐ見つめている彩芽を、優作は唇を噛み締めた。







「……うん。」