夕日がちらつく空。


湿った冷たい空気が肌に伝わった。



もう10分ほどたっただろうか。落ちついた美津枝は静かに口を開いた。



「私はね、施設が一緒だったから小さい頃から優作と一緒だった。…優作は優しくてよく笑う子だったの。」


「………。」



「夏休みが終わって…いつしか優作は私なんかより他の女の子のことを想ってるみたいだった。」


「…それって…。」


「…………ええ。あなたの事よ。」


軽く言う美津枝に私は少し戸惑った。


「…でも優作のお母さんは事故で死んでしまった。轢き逃げだったわ。」





私は視線を落とす。美津枝も目を閉じた。




「…私には止められなかった。」


もしかしたら…優作を助けてあげられたかもしれないのに…


私は………


「美津枝さん…」


「あなたもうわかってるんでしょ?優作が犯人だって。」