震える声で優作に問う。




「殺した……んだと思う。」




「え…?思うって……」




「僕は……あの男を殺していない。」


え…!?



じゃあ…誰が……







「これ。返すね。」


優作はヒヨコのキーホルダーを手渡すとその場から立ち去ろうとする。


「…待って!!殺していないってどういうこと!?他に誰か犯人がいるっていうの!?」








「本当に…覚えてないの?」





「な…に…を…?」










「俺と…彩芽はもっと昔に会ってるよ。」



『あやめ………』



「嘘……。だって…あの時初めてあなたに会った…」






違う




違う




『あやめ…ずっと一緒に…』




私はもっと違う何かを忘れている…






「あやめは…俺のこと忘れた?」











『大好きよ。優お兄ちゃん。』













それは鮮やかな椿の花のように



儚い初恋だった。