夕日に包まれたこの道は、君と出会った場所。















はぁ はぁ


息が切れるほど、私は走った。


さっきの何?



「……何なの?」




『今日はありがとう。彩芽。』






思い出す度に、かぁっと顔が熱くなる。


耳にかかった優作さんの息……



顔が真っ赤になった私は家の前につくと急いで中に入った。



「あっ!彩芽ちゃん。おかえ…」


「ただいま!」



唯斗さんの言葉をさえぎり、部屋へと入る。


バタンと扉が閉まると同時にその場に座り込んでしまった。









「……もう…。」


耳をぎゅっと掴む。



『彩芽。』


コチョウランの香りと、少し低めの声。


伝わる体温。










……心臓うるさい。