「ホントに大丈夫?」
心配そうな顔で覗き込んでくる
「お嬢様
お嬢様」
人ごみを掻き分けてさっきの使用人が来た
「お怪我は?
車を向かわせます
帰りましょう」
「お嬢様?
もしかして
天王寺 綾乃さま?」
どきっ
まさか誘拐?
使用人が震えながら私の前に出た
「お嬢様を助けていただいて
ありがとうございました」
ほっとした
「あれ?聞いていませんか?
私天王寺家に仕えている
四王天 譲の孫の
四王天 裕樹です」
「しお爺の孫」
「そうです
綾乃さま」
なんだか
この人に様付けされるの
嫌
メニュー