チェリー



それから電話して、勇太くんとしのぶくんと3人で謙太郎ちゃんが来るのを待った。

「あ、来た」

迎えに来てくれた謙太郎ちゃんはテンションが低くくて、少し怒っていた。

「あー、不機嫌やな」

「しのぶくんのせいやん?」

「俺ちゃうやろ」

隣りの二人は小声で責任の擦り付け合い中。

「詩織」

「謙太郎ちゃん…ごめんな?」

「ほんまやで。で、詩織をここに呼んだの誰やねん」

「呼んだんは秀。連れてきたんは勇太」

「詩織がまだガキやって知ってるやろ?」

ガキ…か。
確かに、ガキだよね。
18歳なんて、微妙な年。

謙太郎ちゃんにガキ扱いされて、泣きそうになってしまう。

「ガキってひどいやろ」

しのぶくんがフォローしてくれる。

「あ、えぇよ。しゃあないやん。私ガキやし…大丈夫」

ニコッと笑うと、しのぶくんと勇太くんに切なそうな目で見られる。

「詩織」

謙太郎ちゃんに腕を引かれる。

「え、」

「帰るで。しのぶ、勇太ありがとう。明日な」

「おん、明日なぁ」

勇太くんがヒラヒラと手を振る。

私も振り返してから、必死に謙太郎ちゃんに着いていく。