チェリー

「ほんまにするん?彼女とおんねんで」

「ヤッてる途中とかやったらウケるやん」

上着のポケットに手を突っ込む秀ちゃん。

「秀!!」

勇太くんが少し怒鳴る。

「あ…ごめんな」

「え?いや、大丈夫やけど…」

「そうや。詩織の携帯からかけるわ」

「なんでやねん!!」

「謙くんヤキモチ焼くかな大作戦やん」

まぁくんが楽しそうに会話に入って来た。

「なんやねん、それ…」

呆れていると、秀ちゃんに無理矢理、携帯を奪われる。

「秀ちゃん!!」

「えぇやん。詩織からかと思ったら俺っっていうのがえぇねんて!!」

なんて変な理屈で押さえつけられる。
秀ちゃんは電話をかけ初めた。

「最悪…」

「んは、おもろいなぁ」

まぁくんはめっちゃ他人事やしな。


「はい?」

「あ、詩織だけど」

「え…秀?」

「ごめんな。謙くん今何してんの」

「ちょ、詩織に変われ」

秀ちゃんから携帯を渡される。

「はい」

「お前、遅いからって帰らせたんに何夜遊びしてんねん」

「勇太くんが送ってくれるって」

「勇太も飲んでるんやろ?」