チェリー

「おん」

いきなり絡んでくる恭介くん。

ロックオンは私とは反対の恭介くんの隣りに座った勇太くんにされた。
恭介くんにロックオンされると大変なことになる。

「危なかった…」

「こっち向いとき」

「うん」

しのぶくん、私、恭介くん、勇太くん。
反対側に丸ちゃん、秀ちゃん、まぁくん。

普段ならまぁくんの横に謙太郎ちゃんで、丸ちゃんの横に和くん。

「あれ…和くんは?」

「あぁ、今日は来れへんて」

「彼女?」

「いや、お母さん」

「なるほど」

「詩織ちゃん、なんか飲む?」

「ウーロン茶と…若鳥の唐揚げ」

「食べるモノまで聞いてへんねんけど…まぁ、ええわ」

「ありがとう」

通路側の勇太くんに注文をお願いする。

なんとなくやってくれる勇太くんはほんまに良い旦那になると思うわ。

「なぁ、謙くんに電話してみようや」

「え?」

「えぇな。しよしよ」

「秀ちゃん、恭介くんも!!酔いすぎやで」

「こいつは酔ってるけど、俺は酔ってないわ」

秀ちゃんに、やけに冷静に言われる。

恭介くんのこと「こいつ」呼ばわりしたのは聞かなかったことにしよ。