「もしもし?」
「あ、けんたん?」
「どんなテンションやねん」
「あんな、言いたいことあるんやけど」
「うん?」
「和也、詩織に告白したで」
「…は?」
「ふふっ、どうする?」
「どうするって…てかなんでお前そんな楽しそうやねん」
「別に?で、どうすんねん」
「どうするも何も、詩織の気持ち次第やろ?」
「えぇの?詩織が和也のモノになっても」
しのぶくんが謙太郎ちゃんにそんな釜かけをしているなんて知らない私は、和くんになんて言って断れば良いのか考えながら眠りについていた。
「詩織はモノとちゃうやん」
「お前、不器用っていうより自分に対して鈍感やな」
「は?」
「なんでもない。もうえぇわ」
しのぶくんが勝手に電話を切る。
「謙太郎、誰から?」
「しのぶ…、あれ?」
謙太郎ちゃんは自分が知らない、私からの着信を見つけた。
「何、これ」
「謙太郎、お風呂やったから…」
「人の電話に勝手に出るって意味分らへん」
「そんな、怒らんでも…。いっつも謙太郎が詩織、詩織っていうから声聞きたくなっただけやん」


