チェリー

「…それ、誰に教えてもらったん?」

「秀ちゃん」

「この前、丸ちゃんに教えてもらって失敗したもんな」

「おん。で、遊ぶ?」

「うん。えぇよ」

和くんにというよりか、メンバーにえぇように遊ばれてる和くんが可哀想でOKしてしまう。

しかも、秀ちゃんの言葉を借りたんなら秀ちゃんにOKしたようなもんやし。

「えらい強気やったな?誰さん?」

「あー…知り合い」

「何、放課後遊ぼうとか?」

「おん」

「詩織、何か良くうちらに分からへん行動してるなぁ」

「そう?」

友だちの言葉をかわしながら、今日の予定を考える。
遅くなったのが謙太郎くんにバレたら大変そうやし。

放課後、高校の最寄りの駅で待ち合わせ。

「詩織ちゃ~ん」

見るたび、美男子だと思う男が前からやって来た。

「久しぶりやね」

「おん。で、どこ行く?」

「決めてないん?」

「おん」

「どうしよ…?」

まだ5時前。
ご飯にはまだ早い。

「ん~…俺の家でご飯作って一緒に食べる?」

「あ、それえぇな」

「ならそうしよ。何食べる?」

「パスタ~」

「決定な」