「佐藤ハルって… 俺のバアちゃん……」




「そうです。お孫さんの、佐藤良平さま。…サトウリョウヘイさまで、読み方は間違ってないですか? 年齢は30歳…」




胸ポケットからメモを取り出し、読み上げる人形。



いや、本人は妖精って言ったっけ?





「でも妖精って…背中に羽の生えた、可愛らしい外国の女の子じゃねーの?」



俺の言葉に、大きなため息の妖精。




「それは人間が勝手に決めつけているだけです。 妖精には色々な国の者がいて、スタイルも様々なのです。」



そういう妖精は、白いシャツに黒いベスト、黒パンツに白い長いエプロンをしてる。




「あんたは、日本の妖精なのか?」



「はい。私は、ギャルソンスタイルです。」



「…ギャル?」



「ギャルソンです! フランス料理店などで料理を運び、お客様をもてなす仕事です。」




妙に力入ってんだけど。




「何で、その格好なの?」




俺の質問に一瞬グッとつまり



「…ま、その説明は長くなるので、ここでは省かせていただきます。それより、本題です!」