一瞬の出来事で、 頭が真っ白になった。 でも唇に感覚が残ってる。 思わず自分の唇を指でなぞってしまう。 「なに? 李乃、もっかい?」 いたずらな笑みを浮かべて 私に聞く新理事長。 私は言葉がでない。 「李乃、かわいい」 信号が青に変わり、 車が発車する時 隆弥の心に火がついたのを 李乃が知るよしもなかった。