「お前の名前は『カイン』だ。」 この世に誕生し、初めて語られた言葉。 そして、目の前に見える世界は真っ暗闇ではない。 眩しいくらいに明るい。 この時、俺『カイン』は、息苦しさと喜びに満ちた光りを知った。 数年後 「カイン!見てみろ。お前の弟だ。名前は覚えてるか?」 「うん!覚えてるよパパ。アヴェルだよ!僕の弟のアヴェル!」 三つ離れた弟がこの世界で呼吸をした。 きっと、俺が感じたあの不思議な気持ちを、体感しているだろう。 そんな気がした。