俺は…キレる寸前だった。






「邪魔だよ」





ようやく女子の輪の真ん中にいた奴だけが俺の声に気づいた。





「すみませんっ!
みんな、場所移動しよっ」




その女はそう言って俺にペコペコ頭を下げた。




謝んなら最初からドア塞ぐなよな。




まあその女は輪の中心にいたもんだから塞いでは無いけど…。




俺は心の中はこんなに汚い奴だ。




みんなの前では…いい顔ばっかりしてるけど(笑)。





「本当ーっにすみませんでした!」





さっきの女はまだ俺に謝っていて。





困ったような顔で、上目遣いで俺を見てきた。





―――――――嘘だろ?