「あの時、僕は君達を簡単に殺せた。
けど僕は…二回も彼女から右京君を奪っている。
もう木下さんを悲しませる事なんて出来なかった。」
無籐…
きっとコイツは、根は良い奴なんだ
失う事を誰よりも恐れていたのに
逆らう事も出来ないまま、自分から手放した
そしてそれを、死ぬほど後悔している
「だからあの時誓った…あの方の命令に逆らうのはこれが最初で最後。これからは如何なる命も遂行させると。
…けど。」
無籐は優しく
少しだけ笑った。
「木下さんの大切な物…いや、君が右京君そのものの時点で、殺す事なんて無理だったんだ。」
それは、初めて俺に向けられた無籐の笑顔
「とんだ欠陥製品だ、産みの親の言うことも聞けないなんて…。
でも…それでも僕は…ーーーっ!!!」

