「は?」突然の海の言葉に俺は理解出来なかった。
「この世界は色んな色で出来てる。数え切れない位の種類がある。
もしこの中で何かの色が欠けたら、きっと世界はこんな綺麗に見えない。」
「…海?」
何言ってんだよ
俺にも今の海が何を言いたいのか分からない。
「音楽だってそうだ。端から聴いたらメロディーしか頭に残らないけど…そのメロディーを感動させるような旋律にしてるのは、沢山の音で創られた伴奏だ。」
「!」
何かが
何かが、分かった気がした
「あんな沢山ある音でも、どれか一音でも欠けたら良い音楽なんてならない。楽譜上に要らない音なんて無いんだ
だからさ。」
漸く
俺は海の方を向いた。
「生まれ無くていい命なんて無いんじゃねぇの?」

